夢の中へ ‐1‐

これは夢だな。
と、夢の中で思った。

魔法が研究されてる部屋とは、こういう部屋のことなのだろうな、と考えた。

手帳、受け取ってくださってありがとうございました。

その声に目を向けると、あのハンバーガーショップで手帳のやり取りをした女性だった。

お陰様でこうして、仮想世界……絵巻に、ご招待することができました。

仮想世界?

はい! この手帳は、この仮想世界……通称『絵巻』にアクセスするための鍵となるアイテム……言うなれば冒険の書。
そして、私の作った販促品です!

キリッとした顔は、まさにドヤ顔と言うやつなのだろう。
言ってる意味はよくわからないが。
夢と仮想世界ってどう違うのだか……?

この世界は、あなたの心身、周りの環境、あなたとあなたを取り巻くすべてと連動した世界です。

うん……?
なんか説明はじめたぞ……
わかりやすい言葉のはずなのにまったく意味がわからない。

というか、夢ですよね? これ。

そうでもあるし、そうでもない、とも言えます。
この世界もまた、多様な生命によって成り立つ世界ですから。

夢なのに? 生命がある?